これは便利です(裏技かも)

 相も変わらず,週に1〜2日,小学校1年生になる娘とバドミントンを楽しんでいる。

 やはり,やる限りは少しでも上達する方がうれしい,ということで,技術的な練習もするようになった。今は,バックハンドとスマッシュが打てるようにがんばっている。
 勿論,がんばっているといっても,ほとんどあそびである。娘などにいたっては,一喜一憂しながらやっているものの,なかなかうまくいかない状態が続くと,「もーやーめた」といって,すぐにラケットを投げ出している。本当に根性がないものだ。親の顔が見てみたい。
 しかしながら,練習の帰りには決まってスーパー銭湯に2人で入って帰ってくるのだが,お風呂の中では,いつも気を取り直し,またがんばってみるとは言っている。バドミントンは上手にならなくてもよいので,物事を投げ出さない子に育ってくれればと願っている今日この頃である。

 さて,このような技術を習得させる場合,日本ではいわゆるノック(knock)練習と呼ばれる形式が多く用いられている。すなわち,買い物かごのような入れ物にシャトルコックをたくさん入れ,それを野球のノックのように,次々とラケットで打ち出して,あるいは手で投げ出して,相手に打たせるという方法だ。

 ちなみに,このバドミントンの練習におけるノックという呼び方であるが,日本独特の呼び方である。おそらく,これは野球のノックにちなんでのことだと思うが,ノックという意味は,たくさんのボールを用意して打つという意味では決してない。まさに,ドアをノックする,といった使い方をするときと同様の意味で,軽く打つという意味なのである。だから野球のノックも軽く打っているでしょう。
 日本のバドミントン界では,たくさんのシャトルを準備して打ち出す練習のことを,ノック練習と思っている人が多いのではなかろうか。私も学生時代にはそう思っていた。
 ちなみに,イギリスなどの英語圏の国でも,バドミントンをするときにノックという言葉が使われている。勿論,シャトルをたくさん用意はしない。では,どんなときに使うかというと,試合やゲーム練習の前などに,軽く打ち合う乱打のことをノックと呼んでいる。例えば,イギリスなどでは,ゲーム練習の前に,日本で行っているような基礎打ちと呼ばれるものを行う習慣がない。そこで,ウォーミングアップとして軽く乱打を行う。そのことをノックと呼んでいるのである。まさに軽く打ち合うわけだ。なお,イギリスでは,私たちがノックと呼んでいる練習方法のことをマルチフィードプラクティス(Multifeed Practice)と呼んでいる。まさに,多くのシャトルを供給する練習という意味だ。

 前置きが長くなったが,今回,このノックを行うときに使うかごにちょっと細工をしてみた。そしたら,これが使いやすい。ということで紹介。
 かごにひもをとおして,百円ショップでカラビナを買ってきて,キャリーバックについている肩掛けベルトをつけてみた。そして,図1のように,肩からたすき掛けにかけるとこれが便利。いちいちシャトルを手渡しをしてもらわなくてもいい。普通手渡しをしてくれる人がいない場合,いすか何かを用意して,その上にかごを置いてシャトルを取るようにするのが一般的である。しかし,こうすると腰が痛くなってしまうが,それもない。
 一番便利なのは,移動が自由であるということだ。小さな子供にノックをする場合,子供が目をつぶってもラケットに当たるよう,ピンポイントでシャトルを打ち出してやらないといけない。しかし,ノックをする人が一カ所に固定したままこれをやるのは非常に難しい。子供のストロークの様子で間合いを変えていかなければならない。子供が打ちやすい方向を探るため,コートの中を縦横無尽に動きながらシャトルを出してやらなければならない。また,一連のノックの中では,子供のすぐそばに行って,足元からシャトルをトスして打たせ感覚をつかませた上で,急いでネットの向こうに走り,シャトルを打ち出してやると有効な場合もある。そのようなことをするためにこの肩掛けかごは便利なのである。
 
 ちなみに,以前は,このノックで使用するシャトルに関して,使い古しのやつを使っていた。しかし,使い古しのシャトルでは,一つひとつのシャトルのペースがかなり違う。したがって,コントロールをするのが難しく,子供もヒッティングポイントを掴みづらいといった状況でなかなか上達しなかった。そこで,思い切って,清水の舞台から飛び降りたつもりで,安いシャトルを10ダースほど買って,これでノックをやるようにした。するとどうだろう,みるみる当たるようになってきた。しかも,小学校1年生ぐらいだと,本人がいくら全力で打ったとしても,シャトルは壊れようがない。ほぼ新品の状態を続けている。時々,踏んづけてつぶすことがあるのでこれには細心の注意を払わなければならないが。ともあれ,決して不経済ではないと思う。むしろ,対費用効果を考えると,極めて経済的であると思われる。

図1

 ということで,近況報告でした。

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