第8代ボーフォート公爵 |
下の絵の人は第8代ボーフォート公爵である。
言わずと知れた,あのバドミントン発祥に関わったとされる人物である。
そして,あのバドミントンハウスの当主を,1853年〜1899年の間,務めた貴族なのである。
敬意を込めて正しく綴るならば,
His Grace, Charles Henry Fitzroy Somerset, eighth Duke of Beaufort である。
やたらと長ったらしい。
サマーセット(Somerset)が姓である。ボーフォート(Beaufort)が爵名である
ちなみに,ボーフォートという爵名はフランスのシャンパーニュにあるボーフォート城から採ったものらしい。
だから,綴りも読み方もフランス語っぽい
ワインのボジョレー・ヌーボー(Beaujolais Nouveau)のボジョレーに何となく似ている。
さて,この人が生まれたのは1824年2月1日で,没したのは1899年4月30日である。
この人が生まれた年,つまり1824年の日本であるが,文政7年である。イギリス船員が薩摩の宝島に上陸して、牛を奪う事件が起きた。このように相次ぐ外国船の来航にたいして、翌年、幕府は異国船無二念打払令(いこくせんむにねんうちはらいれい)を出している。その前年にはドイツ人シーボルトがオランダ商館の医者として長崎出島に着任している。
一方,この人が没した年,つまり1899年であるが,北京で義和団の乱が起こった年である。
そして,不思議なことに,この人は勝海舟(1823-1899)とほぼ同時代を生きている。
Baily's Monthly Magazine of Sports and Pastime 1860より |
英国には現在でも貴族制度が厳存している。
議会も2院制で上院と下院に分かれているが,上院(House of Lords)は貴族からの議員で構成されている。
英国には色々な貴族がいるが,この公爵というのがもっとも位が高い。
さらに,このボーフォート公家はその中でも第5位の家系である。
したがって,叙爵年も1682年とかなり古い。
英国の貴族はだいたい1200家ある。
その中で公爵家は26家である。
このことを考えると,ボーフォート公家はとても格式が高いのである。